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イタリアボローニャ国際絵本原画展

「イタリア・ボローニャ国際原画展を見て」
3年5組6番 尾﨑 友美

昨年に引き続いて、イタリア・ボローニャ国際原画展を見に行った。昨年は、気に入った作品がいくつかあって、今年は、どんな作品にあえるのかと心が弾む思いで会場に入った。
 やっぱりこの感覚はいいなあ。忙しい日々を忘れて暖かい気持ちになり、自然に笑みがこぼれて見入ってしまう。見ているだけで幸せな気持ちが満ちてくる感じがする。本当に絵本の世界は不思議だ。絵本は子どもだけのものでなく、高校生も大人も、いくつになっても楽しめるものだと思った。また、国が違っても、言葉は読めなくても絵や簡単なストーリーから想像を広げることができて楽しめるなあと思った。

そして、有名な画家の作品を見るのも価値があると思うけれど、絵本原画展は、それとは違った明るくキュートなものが多く、心が癒される感じがある。絵本の中の人間や動物はとても愛らしかったり、ユーモラスであったりして魅力がある。色がカラフルなのもいいなあと思った。

今年の作品で印象に残った作品には、次のようなものがある。
● 「ちいさなおじさん」 宇野はるひ
ティーカップをお風呂にしたり、本を椅子がわりにして読書をしたりと、とてもくつろいでいるおじさんの雰囲気がとても良かった。落ち着いた配色がゆったりとした感じを出しているなあと思った。
● 「はなげばあさん」  山田真奈未
案内のチラシにもなっている。おばあさんの鼻毛が自由自在に伸びたり縮んだりして人の物を横取りしてしまう困った話なのだが、おばあさんの表情や行動がユニークで楽しかった。
● 「クレババンツァ」  エレアノール・マルストン
食べても食べてもおなかがいっぱいにならないのだろうか。いろんな物を食べている巨人がクレババンツァ。絵が楽しくて面白い。クレババンツァのぼよよ~んとした表情が好きだ。
● 「クレーエンシュレック男爵の冒険」 アイナ-ル・トウルコウスキィ
とにかく美しいイラストだなあと思った。こんなに細かい線で描けるなんてすごいなあと思った。

他に「消えた一階」(えんどうひとみ)や「キスして」(マルゲリ-タ・ミケーリ)、「赤ずきんちゃん」(ヴァレンティーナ・ラヴァーニ)、「こるんごのながーいはな」(むらかみひとみ)など気に入った作品があった。記念に残したくて、絵本やファイル・葉書などを買ってしまった。
絵本は、文字が少ないので、絵がストーリーを語っていくところがある。絵は作品の雰囲気を決めるとても重要な働きをしていると思う。絵の雰囲気は、登場人物の面白さだけでなく、色合いや使われている材料、手法によっても違ってくる。これからも色んな絵本を楽しんでいきたいと思った。



イタリア・ボローニャ国際絵本原画展
3年5組4番 大上 綾乃

イタリアボローニャ国際絵本原画展では、毎回可愛らしい作品を沢山見る事が出来るので、とても心待ちにしていたのですが、今回の絵本原画展は私にとって少々苦いものとなりました。

今年は土曜日に行ったということもあったのか多くの人が絵本原画展を訪れていて、その中でも特に親子の姿が目立ちました。絵本原画展に来ている子供達は、お母さん・お父さん・おじいちゃん・おばあちゃんと手を繋いで楽しそうに絵本を1つ1つ見ていました。又、子供と一緒に見ている大人も同じ様に作品を見ている姿を見て、絵本の持つ楽しみの幅や老若男女関係なく見て理解出来る事に改めて関心させられました。

私達は今回、授業で絵本制作の時間が有ります。自分で考えたストーリーを絵本にする人、元あったお話を絵本にする人と内容は様々で、私は元のお話から絵本を作る事にしたので、なるべく余白をなくし、絵に力を入れようと考えていました。ところが、絵本原画展には余白のある絵も沢山あり、余白の無い絵と比べると、解かる事が沢山ありました。まず、余白のある絵は見やすく、何か優しい気分になる様に感じました。そして何より絵の中に空気がありました。余白は、私が考えていた様な「ただ白いだけ」では無く、使い方によって空気や時間、会話になれるものだったのです。それとは反対に、余白の無い絵は、作品としては面白いのですが、見えにくく、何か重たい物の感じがしました。
余白のある作品で特に綺麗だと思った作品がありました。それは、マリアンヌ・ラルヴォルさんの『女たち』という作品です。
暖色の赤やピンクなどで描かれた柔らかい作品で絵の中から、女たちがしている他愛もない会話や、ゆっくりとした時間が見えた気がしました。それらはすべて余白があるからこそのものでした。今まで何度も言われていた事が今頃になりわかったのかと思うと、勉強になった反面少し悲しい気持ちになりました。私の絵にはそういった空気、会話、時間が無いのでこれからもっと沢山の作品を見て、自分の絵にもそういったものが出来てくると良いなと思いました。しかし、苦い思いばかりではありませんでした。
富永里永さんの『おやっちゃん』を見た時は思わず笑ってしまいました。出てくる家族みんながそっくりで、家族のもつ暖かさを感じました。絵本原画展に来ている子供達も私と同じ様に面白い絵に笑ってみたり難しいのは考えてみたり、へぇと納得してみたり、絵本を見ている子供達の表情も絵本と一緒に楽しめた事もいい経験になったと思います。

絵本には様々な種類があります。飛び出す絵本、音のなる絵本、勉強になる絵本それらはすべて見る人が楽しめる様考えて作られたもので、買う人が自分なりの作品に対する思いを持てるものでもあります。ですが私が、絵本制作で作る絵本は、「白い所は無くしたい」だとか「ここをもっと描きたい」といった自己満足の為に作っている所もあります。今回の絵本原画展で学べた事を充分に生かして、絵本のつづきを制作したいと思いました。見る人が楽しい絵本を私も作りたいと思います。



イタリアボローニャ国際絵本原画展を見て
3年5組1番 朝田 夏美

待ちに待った、「世界中の優れた絵本を展示した絵本原画展」を見に行く季節が今年もやってきた。実に3年目の絵本原画展。

毎年思うが、ここの絵本たちはキラキラと輝いている。独自の世界を持っていて、それにひきずりこまれる。私はこの絵本原画展への学外授業が一番好きだ。バリエーションが豊富で、数が多いから飽きない。そして今年の絵本原画展は去年までとは違って(他の人にとっては1回目からずっとかもしれないが、)卒業制作などのこれからの作品制作にダイレクトに関わってくるので、「今年の絵本たちはどんな感動や発見を与えてくれるのだろうか」と、とてもワクワクした気分で見られる。

最初に目に入った作品、アンゲラ・グレー・クラーさんの『またみんながいた、あのころ』という絵本は、初っ端から度肝を抜かれた。なんと、使っている画材は鉛筆のみである。カラーの絵本や、色々な技法が使われた絵本が多い中で単純に紙に鉛筆で書くという技法。それでも詩的な描き方がされていて、どちらかというとモノクロより原色を好む子供向け絵本というよりもシックで絵本なのに難しい小説の上品な挿絵みたいで嫌味がなく、とても好感が持てた。

珍しい技法、という点で一番印象に残っているのはアンドレ・ダ・ロバさんの『隣は何をする人ぞ』である。その珍しい技法というのは、透明のセロファンに油性のマジックで絵を描いて、普通に描かれている絵本の上にのせて下の絵を透かせるというもの。ストーリー以外にも見ていて楽しい絵本である。紙に描く、ということが一般的な絵本の世界で透明なものに絵を描いて下の絵を透けて見えるようにするということは画期的に思えた。自分の思っていた、「絵本で使える材料」に幅ができたというか、私はこういった「変わった絵本」をなかなか書店で見かける事は無いし、見かけても絵本を手に取る事自体少ない。だからこそ、こんな機会に色々な絵本と出会う事によって感性を磨かれているのだと思う。

また、絵本には明るいものだけではなく、子供特有の悩みや怖いものを絵本の題材にしていることもあると知った。それはヴィターリ・コンスタンティノフさんの『かいぶつ』という絵本。とっても悲しくて切なくなる絵本だった。子供の目を通して夫婦喧嘩をしている両親を見ると、二人とも怪物に見える、という絵本だった。喧嘩をしている途中は、流し台へ隠れて縮こまっている少年の目は暗く、全体的に沈んだ色合いで描かれているのが、鬱々とした少年の心を、さらに強調しているようで、キリキリと胸が痛んだ。単なるファンタジー冒険モノではなく、身近にある現実から目をそらさずに、子供の視点を大事にすることも良い絵本を作るためには必要なのだと思った。

この絵本原画展で今回の一番のお気に入りはマウリツィオ・クアレッロさんの『ゾウねえさんの旅』という絵本。アングルがとても良くて、目の動きで楽しめる。アクリルガッシュですべて描いたらしいが、信じられない。私達と同じ画材を使っていてもこれ程の表現ができることに驚いた。同じ画材を使っていて、ここまで塗り方に差がでてしまうのかということが衝撃的でした。パッと見た瞬間から作家の世界観に引き込まれる。なんといってもシュールなあの表情につやつやした顔。一番印象に残っている。

今回の絵本原画展では、毎度の事ながら、現在進行中の卒業制作にすぐにでも試してみたい技法や、描いてみたい構成、色使い等の絵本がたくさんあった。こうした質の高い作品をたくさん見る事は、とても楽しい。自分の制作意欲をかきたてられるし、自分にはない雰囲気を出している作品があり、足りないものを教えてくれる。これから制作していく卒業制作の過程で、この絵本原画展で得たものを活かしていきたいと思う。

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