4期生が入学後間もなく、奈良県の吉野へ美術コースとして初めて独自で2泊3日の宿泊研修に出かけた事を思い出す。5月にもかかわらず季節はずれの台風に遭遇し、雨の中、金峰山寺の国宝蔵王堂の軒下をお借りして、震えながらスケッチをしていた。
月日が流れ、たった今卒業制作展の会場に立っていると、次々色々なことが頭の中を駆け抜けていく。
彼女達の作品の一つ一つが、3年間で経験してきたこと、(見ること、聞くこと、感じること。)のすべてが大きなうねりとなり、一人一人の感性を覚醒させ、彼女たちの心のフィルターを通して個性豊かな作品として開花したことを思うと、とても感慨深いものが込み上げてくる。
私を含め、本校の美術コースの教員は日頃から創作活動をし、発表をし続けている。
経験値では勿論我々教員が遙かに上ではあるが、彼女たちの感性には太刀打ちできないと感じることがある。正直大変たのもしくもあり、羨ましくも思う。
技術面ではまだまだ未熟ではあるが、これ程無限の可能性を感じた卒業制作展は初めてである。
彼女たちの感性は、土を耕し種をまき、水をやり、ようやく芽がで始めたばかりである。
やがて大輪の花が咲き、立派な実をつけ再会する頃には、又雨の吉野での彼女たちの希望に溢れた眼差しを思い出すのであろう。 |