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新入生宿泊研修
美術コース1年生春期宿泊研修を終えて 堀江 靖之

 季節はずれの台風に遭遇した昨年の宿泊研修とは、うってかわって、今年は、晴天のもと桜の花の残る吉野での研修となった。

 今回の研修の第1日目は、ギャラリー見学とレポート作成、その後、4人のそれぞれの作家の先生方のアトリエにお伺いし、作品制作の過程の苦労や、ライフスタイル、社会との接点などを、お聞きすることができた。

 二日目は、クラスを2班に分け、陶芸・七宝焼きのワークショップを、午前と午後で2時間半ずつ交代で行った。

轆轤を回して自分の手の感触を伝わって生み出される作品に、感嘆の声をあげたり、七宝で思い思いの作品を制作し、友人同士で見せ合っている姿は、微笑ましい十代の無邪気な本来の生徒の姿である。

 自然環境の素晴らしい匠の聚で、プロの先生方の視点でお話していただいたことは、入学間もない生徒達には大変大きな刺激になったと同時に、将来美術を志す生徒には間違いなく財産になったであろう。

 バスを下りた瞬間、さわやかな森の香りが鼻の奥に広がった。見わたす限り山と空が続き、都会で育った私にはとても魅力的なものに見えた。「匠の聚」は自然さえも取り込んで芸術を作りあげているように思えた。

 まず始めにギャラリーを見学した。階段を下りてゆくと、だんだんと空気がひんやりしてきた。地下には立体作品から絵画まで、さまざまな作品が置かれている。中でも特に目を見張ったのは、松本鐵太郎さんの「ビュンビュン」だ。題名はもちろん、その作品の姿・形にも心魅かれるものがあった。巨大な竹とんぼのような形をしていて、吹き抜けた天上に向かい、長細い羽を広げている。少し風が吹けばくるくると廻り出しそうだった。

 そして奥の部屋にはいくつかの絵画が展示されていた。小西保文さんの絵には、どこか懐かしさを覚えた。描かれている人々は、怪しく不気味な感じさえしたが、恐ろしいくらいに場の雰囲気が伝わってきて、鳥肌が立つ思いだった。

 それから、聚に住む作家の先生方が色々なお話を聞かせてくださった。陶芸の手順から油絵についてなど、たくさんの貴重なお話を聞くことができた。しかし、どの方の話にも必ず自然の話がでてきたように思う。きっと、自然と芸術には深い関わりがあるのだろう。木の温もりや、土の優しさを芸術に活かしてゆくことは、とても単純に思えて実はとても難しいことだ。都会にいてはなかなか気付けないことだったと思う。

 今回の一泊研修は素晴らしいものだった。たくさんの作品、自然にふれることが出き、陶芸や七宝やきなど貴重な体験をすることができた。この日の経験をしっかり活かしていきたいと思う。そしてこれからもたくさんの作品にふれて自分の力にしていきたい。

 
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