バスを下りた瞬間、さわやかな森の香りが鼻の奥に広がった。見わたす限り山と空が続き、都会で育った私にはとても魅力的なものに見えた。「匠の聚」は自然さえも取り込んで芸術を作りあげているように思えた。
まず始めにギャラリーを見学した。階段を下りてゆくと、だんだんと空気がひんやりしてきた。地下には立体作品から絵画まで、さまざまな作品が置かれている。中でも特に目を見張ったのは、松本鐵太郎さんの「ビュンビュン」だ。題名はもちろん、その作品の姿・形にも心魅かれるものがあった。巨大な竹とんぼのような形をしていて、吹き抜けた天上に向かい、長細い羽を広げている。少し風が吹けばくるくると廻り出しそうだった。
そして奥の部屋にはいくつかの絵画が展示されていた。小西保文さんの絵には、どこか懐かしさを覚えた。描かれている人々は、怪しく不気味な感じさえしたが、恐ろしいくらいに場の雰囲気が伝わってきて、鳥肌が立つ思いだった。
それから、聚に住む作家の先生方が色々なお話を聞かせてくださった。陶芸の手順から油絵についてなど、たくさんの貴重なお話を聞くことができた。しかし、どの方の話にも必ず自然の話がでてきたように思う。きっと、自然と芸術には深い関わりがあるのだろう。木の温もりや、土の優しさを芸術に活かしてゆくことは、とても単純に思えて実はとても難しいことだ。都会にいてはなかなか気付けないことだったと思う。
今回の一泊研修は素晴らしいものだった。たくさんの作品、自然にふれることが出き、陶芸や七宝やきなど貴重な体験をすることができた。この日の経験をしっかり活かしていきたいと思う。そしてこれからもたくさんの作品にふれて自分の力にしていきたい。 |