私学美術展の搬入が終わると、いよいよ夏期研修の季節がやってきたかと実感する。
幸い天候にも恵まれ、期待に膨らむ笑顔の生徒達をバスに乗り込ませ、それから第一目的地である倉敷の大原美術館へ出発した。
行きの行程では目立ったトラブルもなく、約3時間余りで予定より若干早く、倉敷に到着して昼食をとった。
昼食後、大原美術館では10数人ずつのグループに別れ、それぞれ4人の学芸員さんの引率のもと、作品についてのコメントを生徒達が会話形式で語り合う、おしゃべりプログラムという形式で作品鑑賞を楽しんだ。
今回は昨年とは違い、現代美術作品を中心とした別館の作品観賞からプログラムが実施された。

鷲羽ハイランドホテルにて クロッキー |
2日目の直島では、光をテーマにした三人の作家、モネ、ジェームス・タレル、ウォルターデ・マリアのために設計された地中美術館を午前中に見学した。
この美術館は、建築家の安藤忠雄氏が3人の作家のために手がけた彼自身の作品でもある。
今回ここを訪れるのが4回目となる私自身も、初めて作品を目の当たりにする生徒達の驚く表情を見て、感動を新たにした。
その後、ベネッセ・ミュージアムでは、学芸員さんの解説を交え作品を観賞させていただいた。
作品は、必ずしも解説が必要なものばかりではなく、鑑賞者の感性にゆだねられることもあるが、解説により、一見難解そうに見える現代美術の作品の背景にあるものや、作者の思いを知ることにより、一層深く作品を受け止めることが出来ることを彼女たちは気付いたようである。
余談ではあるが、美術の島直島に、新しい3つ目の美術館と、体験型の現代美術作品である「家プロジェクト」が新たな作品を計画中であるという話を聞いて、私自身も子供のように胸を躍らせた。
3日目には徳島県鳴門市にある大塚国際美術館に向かった。この美術館は去年初めて訪れた美術館で、広大な展示スペースに陶版で再現された至宝の西洋名画1000余点が展示されている。当初は所詮レプリカであるという先入観で観賞していたが、実際目の当たりにすると、その充実した点数と忠実な再現技術に圧倒され言葉をなくした。
特にシスティーナ礼拝堂・スクロベーニ礼拝堂の環境展示や、ミケランジェロの最後の晩餐の修復前と修復後の作品など、日本に居ながらにして世界の美術館体験ができるのである。
また、学芸員の方に、ルネッサンスやバロックの作品を約1時間解説して頂いた後、生徒達はそれぞれ観賞したい作品の場所へと分かれて移動した。
3日間で瀬戸内海を大きく周回し、3ヶ所の美術館を巡るプログラムは、強行スケジュールではあるが、高校2年生の彼女達にとっては感性を刺激する大きなターニングポイントになることを心より願っている。
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